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学校給食受取調理員解雇撤回闘争

ユニオン習志野を結成した組合員は、これまで多くの職場での闘いをやってきました。数々の職場での闘いの中で、自分たちの労働組合が切実に必要になっていったのです。これまでの闘いを随時紹介していきます。1回目は、学校給食受取調理員解雇撤回闘争です。

 2009年11月25日、習志野市当局が突然、小学校の給食受取調理員さん全員に対して、「平成22年度より、現在配置している『受取調理員』を廃止し、新たに『学校給食配膳員』を配置することになりましたので、通知します」という文章を配布し、12月3日は「説明会」と称する一方的な解雇通告を行ったのです。

 

 学校給食受取調理員は、給食センターから配送されてきた給食を受け取る学校にとってはなくてはならない重要な仕事で、もとは正規職員が行っていました。

 

 ところが、習志野市当局は臨時的任用職員という非正規職にしたあげく、さらに低賃金・無権利の「学校給食配膳員」なる日々雇用職員にしようとしたのです。

 

☆臨時的任用職員(学校給食受取調理員)

 

 雇用期間 6カ月(雇用手続き、年2回)

 

 勤務時間 5・5時間(一日)

 

 賃金等  5020円(一日)、時給換算913円

 

 賞与   あり

 

 交通費  あり

 

 保険加入 あり

 

★日々雇用職員(学校給食配膳員)

 

 雇用期間 学期ごと(雇用手続き年3回)

 

 勤務時間 3時間(一日)

 

 賃金等  830円(時給) 

 

 賞与   なし

 

 交通費 あり(一日限度600円)交通機関利用の場合

 

 雇用保険 未加入

 

 当局による突然の通告に、「収入が半分以下になる。来年からどうやって暮らしていけばいいのか」と、受取調理員さんは目の前が真っ暗な状況になりました。

 

 しかも12月3日の当局による「説明会」は、「このまま働き続けたい」という受取調理員さんたちの要望を真っ向から踏みにじる許しがたいものでした。

 

 当局は、説明会で以下の「暴言」をはいたのです。

 

 「作業を手伝っている他の職員から苦情が出ている。一人でやれる作業ではないので受取調理員さん以外の職員が作業を手伝っているが、衛生上問題がある」

 

 「イヤなら他の仕事を紹介してもいい。他の日々雇用(学童保育指導員、介助員、事務など)を紹介してもいい。今は空きがないが、給食センター・保育所・自校の学校などで臨時的任用職員の空きがでるかもしれない」

 

 作業を手伝っている職員とは、学校の用務員さんのことです。当局は、用務員さんが善意で受取調理員さんの手伝いをしていることを、「衛生上の問題がある」といったのです。これには、当該の用務員さんたちの怒りの声が爆発しました。以下、怒りの声です。

 

 「今回の雇い止めは許せないし、『俺たちが苦情を言っているから』なんて俺たちのせいにする当局のやり方は本当にキタナイ! 『衛生上の問題』があるんなら、もっと前からもう一人受取調理員を配置すればよかったし、今すぐにだってできる。それが当局の仕事だろう。それをやらずに長年ほったらかしておいて、突然切り捨てるなんて、許せない。自分たちが『給料を半分以下にします』と言われたらどう思うか、当局に聞いてみたい」

 

 「無理矢理、日々雇用への変更をのませるために空約束しているだけ。あとで『臨時的任用職員の空きは結局出なかったから、日々雇用になってくれ』と言うための、リップサービスでしかない」

 

 この時、習志野市労連にともに闘うように話に行きましたが、市労連は当局から説明を受けて納得して帰ってくる始末。そもそも、習志野市労連は正規職員しか入れない組合で、特別にある受取調理員さんが非正規であるにも関わらず市労連に加盟していましたが、市労連は受取調理員さんが解雇されるのを見殺しにしたのです。

 

 学校給食受取調理員や用務員、職場の仲間が当局に怒りの声をあげました。ビラをまき、有志で当局におしかけて、解雇撤回を迫りました。以下は、その時の職場の声です。

 

 「急にこんな話が出てきて、とても不安。決して他人事ではない。市のため、地域のため低所得でも働いてきた弱い立場の労働者から切り捨てていくのは絶対におかしい。いつ切られるかビクビクする職場ではなく、安心して働き続けられる職場にしてほしい」

 

 「現場は職員がまわしている。その苦労を知ろうともしない上の連中が『明日からいらなくなりました』なんて、本当に失礼な話。『特に問題がなければ6カ月ごとに更新される』というふうになっているのに、約束違反だ。こんな派遣切りみたいなことを市役所がやってはいけない」

 

 残念ながら、受取調理員制度の廃止を阻止することはできませんでした。しかし、賃金半分以下という日々雇用への転換は許さず、同じ労働条件で別の職場で継続して働くことを当局に認めさせることができました。

 

 学校給食受取調理員を長い人では15年以上も勤務していた人もいます。給食の受取業務だけでなく、多くの事務をこなし、学校にはかかせない人たちです。こういう人たちがいるから、子どもたちが安心して学校給食を食べることができるのです。

 

 しかし、習志野市当局がやったことは、現場を動かしている労働者の誇りを踏みにじることでした。同じ労働条件として雇用が継続されたとはいえ、今までやってきた仕事を奪われたことへのくやしさはいかばかりだったでしょう。このくやしさを忘れることはできません。

 

 当局の攻撃に対して、正式な団体交渉権ももたない有志の闘いでは限界があり、習志野市労連はまともにこの問題を取り組む姿勢すらありませんでした。

 

 学校給食受取調理員解雇撤回闘争は、ユニオン習志野結成に向けた原点中の原点ともいえる闘いでした。

全世界の労働者は団結しよう!

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