top of page

菊池委員長に聞く①

 

正規と非正規が一体で組合を結成

 

-どんな職場ですか?


菊池
 習志野市役所(人口約17万人)の教育委員会事務局の事務をしています。市役所の仕事は多岐で、意識も職域によりばらばらですが、団結をつくる上で面白みがある職場です。
 就職したのは1973年、当時は共産党系、社会党系、反戦系が一緒になった執行部で、私は教宣部長や職場の分会長をやりました。当時の組合は共産党系が強く、自治労千葉県本部も共産党系でした。総評解散・連合結成後、共産党系は自治労を割って自治労連を結成しましたが、習志野市労連もその傘下に入り、共産党系以外を執行部から排除するようになりました。
 今の仕事は窓口の受付で、転入学受付や生活が厳しい家庭への学用品の援助、学校の子どものデータ管理をしています。
 ものすごく忙しいです。今は、再任用で週3日勤務ですが、3日で終わるような仕事量ではなく残業も多いです。


-今年、組合を結成した経緯を話してください。


菊池
 長年、有志の形で動労千葉を支援し、物資販売に取り組んできたのですが、数年前に「動労千葉を支援する会・習志野」を職場や地域の仲間10数人で結成しました。開店休業状態の習志野市労連とは別に、組合らしい組合運動をつくっていきたいというのが動機でした。当時は有志で雇止め問題などに取り組みましたが、有志での運動には限界があり、やはり労働組合として取り組みたいと結成することにしました。


-きっかけは何ですか?


菊池
 この間、雇止め、下請け労働者の死亡事故など職場問題が次々と出てきたのですが、既存の指導は全く取り組まないどころか、組合ビラにも一言も書かない中で、職場の仲間が苦しんでいる状態が続いたので、新組合結成に踏み切りました。
 6年前に、学校で働く給食受取調理員全員の雇止め攻撃がありました。受取調理員は、給食センターから送られてくる給食をクラスに配膳するのが仕事ですが、長い方は10年以上働いていました。本来は正規にしなくてはいけないのにずっと非正規でこき使い、当局が人件費カットのため雇止めにして、短時間パートに置き換えるという攻撃をかけてきたのです。受取調理員たちの意見は聞かず、問答無用で一方的に通告するだけの「説明会」をやったのです。受取調理員たちは、目の前が真っ暗、これからどうすればいいのか途方に暮れました。
 私たちが市労連執行部に撤回闘争を取り組むよう要請しましたが、一切取り組まない。これは受取調理員だけの問題ではなく全体に広がっていくと考え有志で当局とかけあいました。
 受取調理員制度廃止の攻撃をひっくり返すことはできませんでしたが、同じ労働条件の他の職場に異動させるという形で仕事を確保し、一定程度勝利しました。
 その後、定年後の再任用の職員に対して、本来は1年更新で5年間勤務できるのに、ある職員だけ6カ月雇用、次に3カ月雇用にするいじめ攻撃がありました。
 その年は猛暑で夜眠れず仕事中にコックリしている管理職もたくさんいたのに、「仕事中居眠りをした」という理由で嫌がらせをしたのです。ビラで訴えると「なぜ一人だけに嫌がらせするんだ」と職場の声が巻き起こり、有志で人事課にのりこんで撤回を要求しました。
 メチャクチャな攻撃だったので、当局も1年更新にすると改め、勝利することができました。
 さらに昨年10月、市役所の清掃下請けの委託業者が、収集車で資源ゴミを回収中、下請労働者が車から振り落とされて頭を強打し死亡する事故がありました。
 事故を起こした請負業者は市長の後援会長であり、習志野市防犯協会の会長でもあったため、市はこの事実をひた隠しにしていました。しかし新聞にも報道され、私たちは「労災隠しは許せない」とビラで何回も訴え、議会でも取り上げられました。
 当局は労災隠しを断念し、業者は労災手続きをとらざるを得なくなりました。しかし、市長は「事故の原因を警察で調査中だから市としても業者を処分できない」と答弁し、1年もたつのにいまだ、「警察で調査中」としています。原因が明らかなのに、市と業者と警察が一体で労災隠し、本当に許せません。


-その過程で組合結成ですね。


菊池
 そうです。問題が次々と起きて「闘う組合があれば、犠牲を出さずに済んだ。パワハラ、雇い止め、死亡事故などが横行する職場をほっとけない」と、みんなで気持ちを一つにし結成しました。

 

-続く-

全世界の労働者は団結しよう!

bottom of page